小池緋扇蝶の道行
主君の若殿とその許婚（いいなずけ）の身替りとなった悲恋の二人は、
化身の蝶に姿を変え、冥土（めいど）への道行きへと……
（人形イメージ：歌舞伎舞踊より）
心と心を重ねた二頭（つがい）の蝶の道行きは、心揺さぶる恋嵐。四季の花が咲き競う夢の花園で、詩と戯（たわむ）れ、華やかに艶やかに舞い踊る。妖精のように幻想の光と遊べば、永遠の愛に陶酔し、「横道」「坂道」「恋の道」探し……探し求めて、たそがれの闇の中へと消えてゆく。
この世で結ばれぬ悲恋の二人は、憧れの二頭の蝶に魅せられ、惹かれ合い、この世からあの世へ、赤い絆で編んだ命船に乗り、限りなく続く永遠（とわ）の愛と夢を信じ遠い空へ、静寂の彼方へ……